第73回 三丘芸術祭

PTA

【書道・美術展】
令和6年11月6日(水)~11月11日(月) 10時~16時
       (ただし9(土)、10(日)は休館)
  書道展:新三丘会館(西館南側)2階
  美術展:旧三丘会館(本館北側)2階

【音楽祭】
令和6年11月8日(金) 14時
   本館3階 多目的ホール

 

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芸術祭を盛り立てるかのように、校内の木々も少しずつ色づいてきました。昭和27年から続くこの伝統行事も今年で73回目。書道・美術の作品展示は公開期間中、自由に鑑賞いただけました。音楽祭については、会場の収容人数の関係上、生徒と先生方のみで行われましたが、後日動画配信され視聴が可能となりました。今年もPTA広報活動の芸術祭取材の機会を設けていただいた学校関係者様に感謝申し上げます。

新三丘会館には、書道選択1年生の作品と、書道部の作品が展示されました。1年生作品のテーマは「心に響いた言葉」。個性あふれる作品が並んでいます。大会に出品した書道部の作品の多くは、賞を受賞した逸品ばかりでした。また、会場入口には作者へのメッセージ、手紙が書けるよう箱が置かれていました。
※個人情報に配慮して、名前にボカシをかけております。ご了承ください。

1年生の書道選択の作品は、それぞれ自身の好きな言葉や故事成語などが書かれていたのですが、飛、楽、喜などの漢字にとても表情が出ていて、型にはまることなくのびのびと楽しく書かれていると感じました。
中には『公文行くもん』や『有効数字二桁』などユニークな作品もあって、その言葉を選んだコメントもその人らしさが出ていて楽しめました。

書道部の方の漢詩の作品が、とても力強く丁寧に書かれていてずっと眺めてしまいました。4種類の秋の花がとても美しい字で、絵も可憐に描かれていて家に飾りたいほどでした。

一生懸命作成されたのが伝わってきて、とても楽しく鑑賞でき、元気をいただきました。

字をただ美しく書くだけでなく、空間を意識した文字の配置や筆の流れ・強弱にもこだわって言葉を表現されていました。コメントを読むことで、より一層作者のその言葉への愛着が感じられました。

子どもの心に響いた言葉は、大人、親にも背筋が伸びたり、ほっこりする言葉でした。額装も素敵で、家に持ち帰ってきてくれたら、感じた思いそのまま大切に飾っておきたいです。

趣と歴史の重みあふれる旧三丘会館2階には、美術選択1年生と美術部の力作が並んでいます。1年生作品は水彩画で「人物を描く」がテーマです。芸能人、歴史上の人物、スポーツ選手、政治家、インフルエンサーなど自分の描きたい人をモデルとして人物画を描いています。美術部の作品は、キャンバスいっぱいの油絵でその迫力に圧倒されました。

観音像の描写が神々しくて、見とれてしまいました。
『アヴちゃん(女王蜂)』の毛皮の服が、光の反射や毛皮の柔らかさを上手に表現していて、とても立体的に見えました。

オリジナリティあふれる作品に作者の個性があらわれていました。
なぜその人を選んだか?などコメントも楽しく読ませてもらいました。

子どものお友達の作品を見つけると、より親近感持って眺めさせてもらいました。

キャラクターの強気な性格を表現するために、唇をキュッと閉めたり黒目を大きくしてみたりと、内面までキャンバスに起こす工夫をされている作品には脱帽です。また、筆では思うような線が描けず、最終「指」を使って完成させたとコメントしている作品もあって、みんな芸術家だなぁと感心しました。

美術部員の作品は、油絵ならではの深み・重厚感がありました。心と人生を豊かにしてくれる美術、素敵でした。

コメントを読んでいると、作品に対する思いからなんとなく作品は、作者に似ているのかも、と想像してしまいました。大好きは伝染する。似てきますよね。世界に一つだけの名画、その才能に拍手です。

音楽選択の5クラスが課題曲と自由曲の2曲を発表をしました。課題曲は、東日本大震災のあと、「被災した人々を歌で応援しよう」という、カワイ出版のプロジェクトに賛同して作られた曲です。
自由曲は、作詞作曲を担当した生徒たちを中心にクラスで作り上げた完全オリジナル曲!等身大の姿の歌詞に、魂を込めて作った曲が重なり、舞台でのパフォーマンスに斬新な化学変化が起きるのを目の当たりにしました。

課題曲
 「ほらね、」 詩:いとうけいし 
        曲:まつしたこう

自由曲
 ・1-5 「届け」
 ・1-3「僕らなら」
 ・1ー4「エターナル」
 ・1-1「隣に咲いたカキツバタ」
 ・1-2「紡ぐ歌」

審査発表までは、3年生生徒によるピアノ独奏、クラシックギター部メドレー、弦楽合奏団、吹奏楽部による演奏が音楽祭に華を添えました。いよいよ審査発表!と、ドキドキしていたら、お揃いのコスチュームを着た、我らが三丘教員合唱団が登壇!真剣に鑑賞していた生徒たちも、ホッとして、大歓声と拍手が沸き起こり、会場は大盛り上がり!肩を揺らしながら、スピッツの名曲を口ずさんでいました。この時の裏ネタなどは、ぜひ校長ブログにて。

・ピアノ独奏
 「ソナタ第6番ヘ長調Op.10-2第3楽章」 曲:ベートーヴェン
 「ワルツ第7番ハ短調Op.64-2」 曲:ショパン

・クラシックギター部 
 「飛行艇」 曲:常田大希
 「115万キロのフィルム」 曲:藤原聡
 「LOSER」 曲:米津玄師

・弦楽合奏団 
 「主よ、人の望みの喜びよ」 曲:バッハ

・吹奏楽部(サックス四重奏)
 「彗星 トリヴェールの『惑星』より」 曲:長生淳

・教員合唱
 「空も飛べるはず」 詩曲:草野マサムネ

【審査発表】
 金賞  1ー1
 銀賞  1-4
 銅賞  1-5

特別賞
自由曲賞 1−5
ベストリリック賞 1−2
パートコンビネーション賞 1−3

♪音楽担当 上島先生より♪
今回の課題曲は、76期でも歌った「ほらね、」。選曲基準は「混声四部である」「難しすぎず、易しすぎない」「高校生が歌詞に気持ちを込められそう」「歌っていて楽しい」などいろいろですが、基本的には私が好きな曲にしています。楽譜に添えられた、作曲者の松下耕さんの言葉にも、「学校のクラス合唱向けに作った曲で、歌うことで人と人がつながっていけることを実感してほしい」とあるように、心をあたたかく優しい気持ちにしてくれる曲だと思います。
そして自由曲は、今年はとにかく仕上がりに時間がかかりました。というのも、無伴奏からのスタートや転調が多かったりと難しい曲が多かったからです。「もう無理」と諦めかける生徒もいましたが、本番一週間前にはスイッチが入り、朝練昼練と努力を重ね、何とか仕上げることができました。生徒が自分たちで意見を出し合い、だんだん合唱が完成していく姿には、毎年感動させられます。みんな本当によく頑張りました。

講評で校長先生がおっしゃっていましたが、今回も例年以上にハイレベルでどのクラスも「歌声」「ピアノ」「指揮」ともにレベルが高く、審査員の方も大変悩まれたとのこと。その思い、努力は、特別賞に評してくださいました。ひたむきに取り組んでいたからこそ生まれたハーモニーを、手塩にかけて創りあげた三丘生に大拍手です!

夏休み、クラブや三丘セミナーや宿題で忙しい中、作曲担当メンバーは何度も集まって、クラスオリジナル作詞を元に、曲を作っていきました。コード進行・譜面起こし・編曲など、それぞれが得意分野を生かしながら、和気あいあいと楽しい雰囲気の中、ついにオリジナル曲が完成。音楽祭が近づくと早朝や昼休みも練習をし、当日審査結果を聞いた時は、メンバー全員頑張ってよかったと喜びあったそうです。作曲したり、優勝を目指してクラス合唱ができて、貴重で楽しい経験になったと思います。

音楽選択でないクラスの生徒さんも、「友人を応援したい!」という気持ちで、ホール後方で最後まで鑑賞していました。音楽クラスも含めて、一言も無駄話が聞こえない静かさの中に熱さが伝わってきました。

クラス合唱後、安堵した音楽クラスの1年生が着席し、静まった緊張感の中、3年生の生徒さんがピアノ独奏する姿は、堂々たるものでした。

クラシックギター部や弦楽合奏団は、大人数を活かしてそれぞれの持つサウンドを奏でていました。吹奏楽部のサックスの四重奏は、さすが2年生、指遣いも音色もしびれるぐらいの演奏でした。

自由曲はしっとり聴かせる曲から、ハツラツとしたアップテンポまで様々。クラスごとのカラーでしょうか。詩は、友情・心の葛藤・将来への不安・自分自身を鼓舞する言葉が多く、心のままに作られた曲に目頭が熱くなりました。

体調が優れずメンバーが練習に揃わないことを心配していたものの、当日の舞台に並んでいるのを見て、ホッとしたという他クラスの生徒さん。堂々とした、指揮者と歌い手の調和はジーンときた、と話していました。

金賞、グランプリだけでなく、限られた時間の中で取り組んだ時間、思いが何よりものご褒美だと思います。

PTA<br>広報交流<br>委員一同
PTA
広報交流
委員一同

《編集後記》
今回、PTA広報活動として芸術祭の取材の機会を設けていただきました。
芸術科目に費やす時間は限られている中、個人、クラス、部活動メンバー一丸になって、全力で取り組み、芸術祭を盛り立ててきた三丘生の集中力を肌で感じました。勉強・スポーツだけに留まらず、芸術にも才能あふれる生徒が多く、三丘生の可能性は無限大で頼もしい限りです。
特に音楽祭で、校長先生がおっしゃっていたように、一から作りあげて、自分たちだけが口ずさめるオリジナル曲は、これからの人生に対しての応援歌になるんだなぁと思いました。唯一無二の体験を与えてくださり、導き応援してくださっている先生方にこの場を借りて感謝申し上げます。
校長先生のブログにも「芸術祭」の記事が出ております。
こちらもぜひご覧ください。